ムカゴソフトウェア開発

■大津波に乗った開発室！

2011年3月11日、M9.0の巨大地震後に大津波が発生。
震源から非常に近い、牡鹿半島の小さな町にある自宅は全壊。
町そのものも壊滅状態で、どこに遺体が埋まっているかも分からない瓦礫の山と化してしまいました。

震災前と後で、ほぼ同じ位置から撮影した風景

自宅の１階部分は、大津波の第２波によって流された後に、大破したものと思われます。
残骸がどこにあるのかさえはっきりしない状況でした。

目撃者の話によると、自宅２階部分（開発室でもあります）は、自宅が津波に飲まれて、自宅裏のブロック塀に激突した際、１階部分から分離。
そのまま高台の上に、ゆっくり回転しながら打ち上げられたそうです。
そのおかげで、水没することもありませんでした。
あれだけの被害の中で、本当に奇跡に近いと思います。

しかし、室内に若干海水が入り込んだせいで、電子機器のいくつかは、使い物にならなくなりました。
ムカゴソフトウェア開発の作品のソースコードを保存していた記憶メディア(USBメモリ、外付けハードディスク)は、全て海水が入り込んでいて壊れていました。
これで、もし、メインPCのハードディスクが壊れていて、復旧できなかった場合、ソースコードは全滅です。
メインPCがまだ手元に無いため、確認できずにいますが、望みは薄いです。

【追記】
2011年6月4日、メインPCが手元に届きました。
詳細はこちらです。

私自身は、避難所生活や親戚宅での居候を経て、３月下旬に宮城を離れました。
そして、思い切って大阪に疎開しました。
客観的に判断すると、こんな震災が起きてしまった以上、貴重なデータやソースコードが失われる危険性の高い地域にいては、誰も仕事を依頼しないでしょう。
よって、たとえ自宅が失われなかったとしても、疎開するしか無かったと思います。

今は、期間限定の新居で、新しい人生をスタートしています。
しかし、こんな状況ですので、作品の制作を再開できるかどうかは、よくわかりません。

[2011年4月14日記]

【追記】
作品の制作を再開し、7月「URGENT EVASION 360」が完成しました。

■震災後の町の様子

震災発生から約１週間後の町の様子です。
画像をクリックすると、拡大表示されます(2560x1960ピクセル!)

[2011年3月19日撮影]
高台の小さな公園だった場所から撮影。
この高台に、自宅２階部分が打ち上げられました。
金網フェンスの支柱が、根元から公園側に折れ曲がっているのは、そのせいかもしれないです。
画像の奥に広がる町の中心部は壊滅状態です。

[2011年3月19日撮影]
手前に、自宅の基礎部分が見えます。
基礎部分は津波に流されず、しっかり残っていました。
太い道路はすでに瓦礫が取り除かれて、乗用車が通行できました。

[2011年3月19日撮影]
海から離れた場所でも、瓦礫がこんな高い位置まで達していたのがわかります。

[2011年3月19日撮影]

おまけ。

[2011年3月21日撮影]
庭で発見されたアイナメの死骸。
取り残されたのでしょうか。
多くの家を海に引きずり込むほど強い引き波だったんだから、ちゃんと海に帰れよ。(苦笑)